ぶいぶいているろぐ

バーチャルな話題を主に記録していく、バーチャルはてなブロガーのブログです。(※アバターは『カスタムオーダーメイド3D2』によるものです)

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「今日から始める VTuberワークショップ #02」参加レポート 前編

vtuberjustdoit2.peatix.com

 浅田カズラです。PANORA様主催、「今日から始めるVTuberワークショップ」、その第2回に今回もお邪魔させていただきました。

 まさかのゲストを招き、教室もワークショップごとに確保して、さらに勢いを得たJUST DO IT!! の最前線。今回はスキル取得よりかは、ナレッジの取得を目的に参加しましたが、実践者のノウハウや最新業界情報で脳がオーバーフローするかと思った6時間になりました。とっても楽しかったです!

 というわけで、今回も参加レポートを書き残していきます。ただ、内容があまりに濃かったせいか、1記事におさまる気配がないので分割記事にします……!

 

 

 

1. 基調講演 by マグロナちゃん

 今回も会場は御茶ノ水の東京デジタルハリウッド大学。その一室に集められた我々は、静かに「降臨」の時を待っていました。

 今回も司会を務めるPANORA・広田さんも呼びたくて仕方がない様子。ワークショップ開始時刻からほぼほぼノータイム。Discordから今回のゲストの召喚が行われました。

 第2回ワークショップ。基調講演担当は、いまやバ美肉の第一人者となった、魔王マグロナでした。

 80インチの巨大モニターに映る、生マグロナちゃん。「にんげんども〜 余〜だよっ」とおなじみのあいさつをかました瞬間、会場全体からマジで「ハァァ…!」という声ならぬ吐息が響きました。というか僕は漏れた。広田さんは「かわいすぎか!?」と狼狽していた。

 「おじさんだがかわいい」という特異点「かわいいとねぇ、得なんだよなぁ…なんか怒られないんですよぉ…」 という発言が忘れられません。

 とはいえ、ただかわいいを振り撒きにきたわけではありません。魔王マグロナは、アイドルでもあると同時にクリエイター。「VTuberという創作」について、熱いお話をうかがうことができました。

 

①「おじさんを視界から消せばかわいい女の子に見えると思った」

🐟「自分の考えた、最強にかわいい女の子をプロデュースし、あわよくばなりたい、という気持ち、あると思うんですよ。というかそういう人、いるよなー?」

 この「いるよなー?」に一斉に手を挙げる参加者一同。壮観でした。

 マグロナちゃんはこの「かわいいキャラクターを生み出したい」という形の創作意欲に触れながら、受肉したきっかけについてお話しいただきました。

🐟「(外見を用意したら)視認できる範囲から『おじさん』を消してしまえば、もう女の子に見えるのでは? かわいい存在として運用できるのでは? そう思って声を変えたんですけど、想定外すぎましたね…」

 ある種の試みとして実践したものが大ヒット、というようなフレーバーが感じられました。実際、デビュー1ヶ月後くらいにも「あれよあれよとVTuberになってしまった」というツイートをされてました。

 なお、この「視認できる範囲から『おじさん』消してしまう」という試みについては、マグロナちゃんはねこます氏に触れ、「あの人が『かわいければおじさんでもええやろ』という地平を切り開いたからこそ」とも語っていました。

 赤裸々な「きっかけ」のお話は、かわいさにあふれた魔王の根源がクリエイターであることも感じられるひとときでした。

 

②クリエイターとSNSについて

 「理想のかわいい女の子」を自分で運営する。これをマグロナちゃんは、クリエイターにとって最適な活動と位置づけています。

 というのも、マグロナちゃん自身、SNSTwitter)上で作家として活動することに悩みを抱えていた時期があり、これが受肉後に解消したとのこと。簡単にまとめると、以下のような内容でした。

  •  作家とSNSの関係性はむずかしい。いまは「作品は知っていても作者は知らない」という人も増えているので、宣伝が難しい。さらに、作品の投稿しか行わない作家のアカウントには、多くの人が「話しかけづらい」と感じる。
  • 自分もかつては、純粋な創作ではなく「宣伝のために作品を作る」ということをやっていた時期があり、そのせいでSNS疲れを起こしたこともある。
  • そうした一方で、マグロナちゃんは作家本人の作品でもあり、同時にほぼ本人でもある。マグロナちゃんを動かすということは、「作品そのものが話しかけてくれる状況」を生み出していて、これが作家とファンの距離感を近くしている。
  • 受肉とは、言ってしまえば「歩くポートフォリオ」を作るということ。クリエイターならば、作っておけば得しかない。友達も優しくなるしな。 

 「本人であると同時に作品」というのは膝を打ちました。Twitterをすること自体が作品告知になり、その集積が「活動実績」になる。まさに新しいクリエイターの形ですし、その効果はまさにこの魔王が体現しています。

 

③魔王秘蔵のボイチェンテク

 その登場から現在に至るまでの展開は、まさにシンデレラガールなマグロナちゃんですが、その最大の功績として「高いボイチェン適性」があったことは事実でしょう。

 このことには本人もふれつつ、その上で「世のボイトレには載らないメニューが多く存在する」と語る、「ボイチェンのコツ」についても話題が上がりました。

 喉仏を高い位置に持っていく。少し巻き舌にする。ゴロゴロする音を吸収する。そういったテクニックについて言及した後、なんと「まだインターネットでは言っていないコツ」を語ってくれました。

🐟「実は目指すべき声を知るのは簡単です。なりたい声、好きな声のピッチとフォルマントを下げていって、それがオカマっぽくなってきたら、その声を真似してみるんです。それを再変換してみると、好きな声になってます! あっ、これまだインターネットで言ってないから秘密なぁ〜」

 なるほど逆変換という手が! これにも膝を打ちました。

 ちなみに、ボイチェンに挑戦している人の中には、「ヘタにいじりすぎてキンキンボイスになってしまった」というケースが結構多いらしく、その意味でも「ゴールから逆算する」という手法は有効だと感じました。広まっていくといいですね。

 

④質問コーナー

 一通り創作やボイチェンについて講演いただいた後、質問コーナーへ移りました。以下、Q&Aの抜粋。今回はかなり踏み込んだ質問も多かった印象です。

 

Q1「どんなボイチェンを使っていますか?」

🐟「実はいまは調整中で、公表は避けたい。ルーティングいじりまくりです。以前、未調整の時点でツールを公表したら、それがバンバン買われたこともあったので言わないようにしてる……実情としてはどれもさほど変わらない。まずは恋声で練習してみるといい」

🐟「ちなみにそういった機材系ノウハウは、歌ってみた系はwikiで研究しつくされてるので、掘ってみるといいですよ」

Q2「ボイチェン音声のループバックはかけていますか?」

🐟「かけてる。実はVT-3のルーティングをゴニョゴニョすることで、『変換した本来聞こえない声をループバック』を聞いている。ちなみにこれをやると脳がバグって、『自分の声をそう誤認する』ようになる。だからカラオケもできるよ!」

🐟「でもVT-3は2万円だったのがすごい高くなっちゃってて……そろそろ飽きた人が手放すだろうから、みんなは待とうなぁ〜」

Q3「外見について。非常にクオリティが高いですが、こだわったこと、苦労したことはなんですか?」

🐟「まず髪の毛。多層構造になってて、21レイヤー*1全てに物理演算を設定してる。おかげでふわふわ動く。苦労したのもそこで、他はラフから一晩で仕上げていったかな?」

Q4「Live2Dの製作はどのくらいかかりましたか?」

🐟「確かりむまきのLive2D講座見てから取り掛かって、すぐにラフを15分くらいで描き上げた。一眠りしてからパーツ分けまで持っていき、動かせるようになったのは昼過ぎ。パーツ設定は10時間くらい? ちなみに全身モデルではなくバストアップなので、おかげで時間がかかってないかも。いまは全身を作成中です」

Q5「自分の作業環境はMacなので、ボイチェンにはGarageBandを使っています。マグロナちゃん的にはGarageBandってどう思いますか?」

🐟「ありだと思う。かなりいい感じだったはずだし。ちなみにもし満足できなかったら、確約はできないけど、ガチのDTM系ソフトに移行という手もあるかも」

Q6「作画環境、マシンスペックはどうなっていますか?」

🐟「作画環境はCLIP STUDIO PAINT。Live2Dモデル作成には対称定規が便利なんですよね。左右対称に描く必要があるので。マシンはMacBook Proの2016年モデルで、そこに液タブつないで作っています。」

質問者「ちなみにメモリは?」

🐟「たぶん16GB?だったかと。MacBook Proではあるけど、あまりつよつよなマシンでもなくてもいけるはずですよ」

 

 モデル作成やボイチェンに関する実践的作業への質問が多めでしょうか? 具体的な回答も相まって、かなり空気がクリエイティブ方面に活性化していた印象です。

 

 そして最後は、定番となった(?)「JUST DO IT!」ポーズでシメ。ポーズ後の「ふふっ」という笑い声すらかわいいという、一から十までかわいさあふれた基調講演となりました。

 

2. 基礎講座(by PANORA 広田稔氏)

 嵐のようなマグロナちゃん講演から引き続き、司会を務める(株)パノラプロ代表の広田稔氏による、VTuber基礎講座が行われました。

 「今更かもですが!」と前置きしつつも、今こそ押さえ直したい基礎的な要素をきっちり展開する、軽妙な講義でした。

 個人的によさげだった内容を抜粋していきます。

  •  VRの原義は「見かけは原物そのものではないが、本質的あるいは効果としては現実であり原物であること」。つまり「VTuberをつくる」とは、「YouTuberではないが、YouTuberのように機能してくれるキャラをつくること」である。
  • VTuberを作るにあたって、選択肢の組み合わせが重要になる。「3Dか、2Dか」「PCか、スマホか」など。PCでモーキャプを使うなら、ハードとソフトウェアにも組み合わせが多数存在し、どれを選定するかが大事になる。
  • そして、楽してVTuberになれるツールも出てきている。Vカツ、VRoid、バーチャルキャスト、エモモなど。
  • なぜVTuberになりたいか? 理由をあえてまとめると、「オリキャラをみてほしい」「チヤホヤされたい」「なりきり会話がたのしい」の3つが挙がるはず。

  そして、「楽してVTuberになりたい! その気持ちを大切に! 今日はそのためのツールも体験できます!!」と締めくくり、ワークショップ前半が終了しました。

 

 

 さて、前半だけでここまでの分量。内容がさらに濃くなっているのを感じる……!

 というわけで後半戦、ワークショップ〜アフターイベントの内容は後編に続きます!

 

v-v-tail-log.hatenablog.com

 

*1:実際に会場で拡大して見せてもらったのですが、まるで切り絵のように重なりあっていました。すごすぎる…