ぶいぶいているろぐ

バーチャルな話題を主に記録していく、バーチャルはてなブロガーのブログです。(※アバターは『カスタムオーダーメイド3D2』によるものです)

今後VTuberを追うなら『HopStepSing!』を観ろ

 今後VTuber、ひいてはVRという文化を追う上で、HopStepSing!は欠かすことが出来ないだろう。

 『HopStepSing!』を知らない? ならば今すぐググれ。YouTubeにアップされた360°動画を見ろ。そしてSteamでフルVR版を購入しろ。ViveもOculusもない? ならば早めに入手の算段をつけて・・・・・・見るんだ。このVTuberブームが終わるまでに。

 

 というわけで、本稿では『HopStepSing!』について布教したいと思います。あっ、申し遅れました、浅田です。

 

 

『HopStepSing!』とは?

hopstepsing.com

 『HopStepSing!』はVRアイドルプロジェクトである。それは2016年にデビューし、現在まで計3曲の楽曲を発表している。その全てにVR対応MVが作成されていて、YouTubeの360°動画ならばタダで、そして有料のフルVR版がSteamにて配信されている。

 まずは実物を観てほしい。360°動画版だ。可能ならVRゴーグルとかを併用してほしい。そこに新世界が待っている。

 

#1『キセキ的Shining!』

www.youtube.com

 デビュー曲は元気いっぱいなアイドルポップス。MVは王道の「ステージ上のライブ」だが、あなたが立つのは「ステージの上の彼女たちの眼の前」である。大勢の観客もいる中、「あなた」に向けられる視線、歌、踊り。おわかりだろう、そこは特権的座標だ。

 

#2『kiss x kiss x kiss』

www.youtube.com

 2ndシングルはしっとりバラード。そのMVの最たる特徴は「あなたはMVの中にいる」に尽きる。こじんまりとした一室から、壁が動き巨大な広間となり、と思えば水中へ場面転換。さまざまなギミックと、はっきりとあなたへ視線を向けるアイドルたちは、「MVの中へ入る」という体験を創出する。そこは、完全にあなたのためにあつらえたプライベート・ライブ会場である。

 

#3『気ままに☆サマーバケーション』 

www.youtube.com

 そして、3rdシングルはノリノリサマーな一曲。水着! 太陽! 砂浜! いまやアイドルになくてはならぬファクターである。

 この3rdシングルこそ、特異点である。以下にてそのすさまじさを説明する。

 

真夏色の特異点

 ここからは僕の視点から見たMVと、その時の僕の動きをあわせてご覧いただこう。

 

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 まず、このMVは直立か、高め(high)の椅子に座って見るのが望ましい。

 このMV自体が「古びた路面電車の座席に座っている」という位置情報にて展開されるので、ちっこい椅子だとショタ視点になってしまう。

 準備はできたか? トイレも済ませたか?

 

 そうしたら、ゆっくりとMVを再生し……左右のどちらかを振り向け。

 

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背後の電車の窓から「わぁ〜♪」身を乗り出してくる虹川仁衣奈ちゃん

 

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 はぁ!? アニメか!!!???

 

 こういうことだ。しかしまだ曲も始まっていない。曲が始まれば……こうだ。

 

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俺の膝の上に手荷物を預けにくる!

 

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俺の隣に楽しげに座っちゃう!

 

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俺の目の前でワイワイ歌い踊る!!

 

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 はあぁ!!!??? アニメじゃねぇか!!!!!

 

 こういうことである。このMV自体が、「3人の少女とともに海へ出かけるシミュレーション」なのである。

 しっかりMVでありながら、あまりにも「アニメかよォ!?」と感嘆せざるを得ないシチュエーションは確実に殺しに来てるし、いわんや視点はVR。「あなたはそこにいる」のである。

 

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もちろん水着シーンもある。大きすぎず、細い骨盤と手足がかえってこう、ねぇ?

 

 そして、このMVには最大のギミックが仕掛けられている。ルート分岐が存在するのだ。

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 MVの最後、3人のうちの誰かが自分の隣に座る。が、この「誰か」は、なんと 「MV中で誰を一番見つめていたか?」という判定によって行われているのである*1

 一番好きな子を見つめていたら、最後にとなりに座ってくる…………アニメか?????

 

 アニメ・MVはそれ単一で完成しており、基本的に視聴者はそれを見るだけである。だが、『気ままに☆サマーバケーション』 は「視聴者の存在を前提としてすべてが動くアニメ」である。もはやモニターという断絶も、次元の狭間もない。自らフィクションの中へ入りこむことで、すべてのフィクションが実在へと反転する。現実と虚構の垣根が消滅するのである。

 はっきり言ってこれはMVの域を超えている。体験だ。そして、VRにとって「体験」は根幹に座するものである。

 

いずれVTuberもここに達する

 以上が『HopStepSing!』のすばらしいところである。新曲も製作決定しているとのことなので、ぜひ心待ちにしたい。絶対にさらにエグいギミックが仕込まれるはずだ。奥歯をガタガタさせながら待っていたい。

 そして、このような「虚実の垣根の消失」はVTuberでもおなじみであるが、これを真に実現するのが、VRChatのようなソーシャルVRや、VR LIVEや.clusterをはじめとしたVRライブサービスである。

 その最も顕著な例が、5/19に行われた「月ノ美兎のVR教室生放送」だろう。

www.youtube.com

 .clusterはユーザー自身もアバターをまとってライブ会場へ赴けるサービスである。そしてこの日は、月ノ美兎も新調した3Dアバターをまとって登場した。

 委員長はバーチャルライバーだが、紛れもなく実在する人物だ。一方の配信視聴者も、実在する人物だが外見は完全なる虚構のアバターだ。おわかりだろう。もはや虚実の区別はなにも意味を成してない。目に映るものだけが正しい世界だったのだ。

 

 「バーチャル」の意味合いは、VTuberの登場によって大きく揺らいでいるが、通常のVTuberに限って言えるのは「画面越しの最後の壁は残っている」ということである(ほぼ薄皮のようなものになってきたが)。画面越しでは「直接」は会えない。だが、互いに仮想空間へダイブすれば、この最後の距離が消失する。「実体を持たぬ実存」が完成するのである。

 その事例は着実に増加している。VRChatならのらきゃっと、VR LIVEならシロ、.clusterなら月ノ美兎、そして今週末には『12時間ぶっ通し!! 第1回 夏のファイ祭り!』にて、様々なVTuberがゲスト登場する予定となっている。

phi-official.com

 虚構と実在が消失する日は、日に日に近づいている。そして、そうした文化の基盤が成りつつある今、『HopStepSing!』は文脈上外せない「出来事」である。

 

 多くの人に体験していただきたい。VRとは、体験しなければなにも理解できないのである。

 さぁ、VR機器を持っているそこのあなた。いますぐHop! Step! SIng! するのです!!

 

 

*1:この判定はフルVR版のみとされる。